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【HACCP解説】
NACMCF(食品微生物基準全米諮問委員会)、CODEXのいずれのガイドラインにおいても、HACCPの原則1「ハザードアナリシス(危害要因分析)」を始める前にやらなければならない準備段階を示している。それは以下の5つである。
  1. HACCPチームの編成:規模が小さい企業などではHACCPチームを作るのも難しいところも考えられる。その場合は、「どのような分野の専門家をHACCPチームに入れるか」ではなく「どのような専門知識がHACCPチームに必要か」を考えればよい。
  2. 当該の食品と流通手段の記述:食品がどのような原料、プロセス、流通形態をとるのかを明確にしないと、危害要因分析はできない。
  3. 意図される使用方法と消費者の記述:意図する消費者も重要な問題である。ことにリステリアは免疫状態が弱い人たちには危険である。また、食する前に加熱するのか、製品に何らかの指示が必要なのか等についても、あらかじめ決めておく。
  4. フローダイヤグラム:すべての原料と工程を簡単なフローダイヤグラムにする。
  5. 現場の検証:フローダイヤグラムが本当に正しいのかどうかは現場で確認しなければならない。フローダイヤグラムの作成時に見落としたことが、現場検証で見つかるかもしれない。
   以下に、HACCPの準備段階で考慮すべき事項をいくつか挙げる。

◎社内の誰がHACCPの責任を負うか
 HACCPの責任の所在を明確化しなければならない。QA(品質保証部)あるいはQC(品質管理部)が責任部署となる場合が多いが、米国では新たに食品安全部を設ける傾向にある。

◎経営者の適切なサポート
 HACCPを導入するにあたっては、会社として食品安全の大事さ、HACCPを始める決意の声明を出す。また、設備的・人的サポートのリソースを確保しなければならない。HACCPコーディネーターを指名するのも経営者の仕事のひとつである。コーディネーターには十分な準備期間を与えなければならない。

◎HACCPコーディネーターについて
 HACCPコーディネーターに必要な素養としては、技術的・科学的なバックボーン、組織のマネジメント能力、辛抱強い性格、人間関係の調整能力、生産について精通している(現場をよく知っている)ことなどが挙げられる。

 コーディネーターの仕事には、生産ラインのキーになる従業員の教育(そうしたキー・オペレータを発掘することもコーディネーターの仕事として含まれる)、SOP(標準作業手順)を作るためのチェックリストの作成、HACCPの見直し、検証や是正措置の確認、内部監査の中心として機能すること、問題発生時には原因究明に努めること、PP(前提条件プログラム)の遵守の確認、HACCPチームを組織・運営することなどが挙げられる。しかしながら、それだけの能力を有する人材は、社内でも有数の者であると思われる。その人材を見つけ出すことが大切である。